嘘と創作を混ぜて語る日記的なもの
2015/09/30 [19:51:14] (Wed)
全く信じられないよ、団蔵ってば!これだからあほのは組は!
それがさ、聞いてくれよ!
えーと、4日くらい前の話なんだけど……ホラ、予算会議あっただろ?
それの決算の追い込みでさ、会計委員会はいつもの如く徹夜してたワケさ。
今回は田村先輩が実習だとかで、作業に早く取りかかれなかったらしくて。そのぶん潮江センパイと神崎センパイに負担がいっちゃってさ。日に日に、目が血走っていくわけ。
こわいとか言うなよ!ぼくたちは必死なんだぞ!
いい、そもそもどうして会計委員会が決算のたびにいっつも徹夜なんてするハメになってると思ってるのさ。各委員会の予算申請書をうのみにしてたら~(以下略)
えっ、なに、まだ会計委員会の仕事の大変さと書類作成における手順と予算に関する計算の仕方を話してないんだけど。
……あっ。そうだ、ごめん、あほの団蔵の話だったな。
つい熱くなっちゃって。
そう、えーと決算の大詰めの真っ最中に起きたことなんだけど。
え?また団蔵が読めない字でミスしたのかって?
いや、それはもう通常運転。みんな慣れてきちゃってさ、前々回の決算のとき、いっそ暗号代わりに使えて便利かもなってことで全員一致したんだ。
解読できるのは土井先生と潮江センパイ、あとよく計算とか誤字を訂正してやってるぼくだけだからさ。
田村センパイと神崎センパイも最近読めるように……ん?うーん、そうだな、あのアホの字が、やっっったら汚いのが悪いのは確かだけどさ。
でもな、ぼくたち会計委員会は学んだのさ。あのアホの字の汚さは、死んでも治らないってね。
あ、また話ずれちゃったな。
決算の最中に、神崎センパイがかわやに行くって言いだしたんだ。
神崎センパイ、頭も良いし決断力もあるだけど、ちょっと方向オンチでさ……決算の大詰め中に万が一でも迷子になられたら、残りの人たちの仕事がかさんで大変なんだ。かんたんに言って半分死ぬ感じ。だからぼくがお供したんだ。
……まあ、万が一じゃなくても迷子になるのが神崎センパイなんだけど……。その話はあとでね。
で、夜のかわや前で、神崎センパイが出てくるのを待ってたんだけど、……その日は月が出てなくてさあ、まっくらで、夜だからシーンとして静かで、ちょっとだけ怖いかもなんて考えてないけど!
とっとにかく仕事おわんないし、早く神崎センパイ出てこないかなぁって思ってた。
かわやに背を向けて立ってたんだけど、なんかちょっと後ろから……かわやの中からさ、見られてるような気がしちゃって。
今考えれば用足し中に失礼だけど、神崎センパイに声をかけたくなっちゃってさ、ふり向いたんだ。
そしたら、かわやの戸に手がかかってて。
あ、よかった、センパイすぐ出るんだ……って安心した。
でさ、すぐ出るんだ、と思って、その手を見てたんだけど。
……いつまでたっても、戸を開けないんだよな。
え、どうしたのかな。そう思って声をかけようとして、ハッと気づいた。
そこは、
誰も入ってないはず……の……。
戸にかかった指は、その間もぜんぜん動かない。白々としてて、きちんと指先をそろえて戸をつかんでた。
恥ずかしいんだけど、ぼく足がふるえちゃってさ。全身から、こうブワッとよくわかんない汗が出て、背中が冷やっこくなって……あっ、これはは組にはナイショだぞ!い組の約束だからな!
で、そんな緊張状態のなか、隣の戸がバンッと勢いよく開いた。
「はー出た出たあ!すまんな左吉!徹夜で座っとると腹にうんこが溜まってなあ!」
ええと、なんていうかさ。
緊張感とかさ。ふっ飛ぶよね。いろんな意味で。
「お前も気をつけないといかんぞ!なんたって保健委員にバレた日には地獄が待っているそうだからな!主に尻の」
尻の!?
主におしりが地獄ってなに!?
どういうこと!?
「センパイ声が大きいですってば!そんなんじゃいくら秘密にしたってバレちゃいますよ!」
「おぉーすまんすまん。こう、徹夜だとな!声の大きさとかどうでも良くなるな!ちなみに尻が地獄になった憂き目には一時再起不能になるらしいぞ!」
「なにそれどういうこと!?どういうイミで!?」
「はっはっは、おっ厠の小坊主ではないか!久しぶりだな!元気にしていたか?私は元気だぞ!」
じゃあまたな!とほがらかに、その、戸にかかったままの指に手をふるセンパイを見て、
ぼくは今、夢を見てる……?実は会計室で寝てるの……?って思ったぼくは、悪くないと思うんだよ。
しかも、さぁ!
その手……小坊主?もセンパイに手をふり返しててさ!骨がないようなクネクネしたブキミな動きじゃなかったら、ふつうに生きてる人かって思うところだよ!
「せ、センパイ!?あのあれ、あ、」
「おう、左吉は会うの初めてか?あれはな、会計委員七不思議、『深夜、厠に閉じこもる小坊主』だ!悪戯しなければ何もしてこない、普通のやつだぞ!」
もう、あのさ、わかる!?
わかってくれる!?この突っ込みどころが多くてなにも言えなくなる気持ち!!
ていうかうちの委員会七不思議あったの初めてきいたけど!?
……たしかに、実際に見なきゃ「ああ、センパイ、徹夜のしすぎでついに幻覚が見えるようになったんだな」としか思わないけど!
それでさ!もう何も言えないまま戻って、何も言えないまま決算終わったんだけどさ。
今日、団蔵に言ってみたんだ。世間話みたいにさ。
そしたらアイツ、なんて言ったと思う!?
「ああ~小坊主さん!こないだ身の上話してさ~、かわいそうなんだよなー」
しかも他の七不思議とも交流?してるみたいなことをさ、普通に、ふっつーに喋ってくるんだ。
……ああ、そうだな。
アホに常識的な意見を求めたぼくが、間違ってたよっっっっっ!!!!
同級生のコメント
伝七:
わかる!わかるよ左吉!あいつら本当ありえないよな!ほんっとうにアホなんだよ!アホのは組なんだよ!
兵太夫なんてこないだ何してたと思う、人形の首ずらっと並べて気味わるく笑いながら仕掛けしてたんだぞ!?首人形、あれ、委員会の備品だぞ!?何考えてるんだよ!
しかも!しかもっ僕を実験台にするなよ!!!!うるさい泣いてない!
彦四郎:
知ってるそれ!大量の首人形フィギュアが唸り声上げながら部屋じゅう転がりまくったやつでしょ!
しかも、よりによって学園長先生の大切なお客様の前で!
ぼく学級委員長委員会でお客さんのおもてなしするのも仕事だからさ、目の前にいたんだけど、腰抜けるかと思ったよ……!
学園長先生カンカンに怒ってるし、庄左ヱ門は生首つかまえて冷静になんか言ってるしもうわけわかんなくてさあ、はあ……。
一平:
ぼくも知ってる!それ「踊り狂う生首事件」だ!
仕掛けに虫とかネズミ使ってたとかで生物委員が回収にまわされたんだよ〜もう、竹谷センパイ笑ってたけど回収したハチとかネズミの世話するのぼくたち生物委員なんだからね。
壊れた首からネズミは飛び出してくるし、変なうなり声上げてるフィギュア持ち上げたらハチが飛び出すし、お客さんと虎若はアワ吹いて失神しちゃうし!
考えてみればすごい光景だったなあ……。
えっ?ぼ、ぼく?ぼくは……孫次郎といっしょに腰抜かしてて……ごめん……。
全く信じられないよ、団蔵ってば!これだからあほのは組は!
それがさ、聞いてくれよ!
えーと、4日くらい前の話なんだけど……ホラ、予算会議あっただろ?
それの決算の追い込みでさ、会計委員会はいつもの如く徹夜してたワケさ。
今回は田村先輩が実習だとかで、作業に早く取りかかれなかったらしくて。そのぶん潮江センパイと神崎センパイに負担がいっちゃってさ。日に日に、目が血走っていくわけ。
こわいとか言うなよ!ぼくたちは必死なんだぞ!
いい、そもそもどうして会計委員会が決算のたびにいっつも徹夜なんてするハメになってると思ってるのさ。各委員会の予算申請書をうのみにしてたら~(以下略)
えっ、なに、まだ会計委員会の仕事の大変さと書類作成における手順と予算に関する計算の仕方を話してないんだけど。
……あっ。そうだ、ごめん、あほの団蔵の話だったな。
つい熱くなっちゃって。
そう、えーと決算の大詰めの真っ最中に起きたことなんだけど。
え?また団蔵が読めない字でミスしたのかって?
いや、それはもう通常運転。みんな慣れてきちゃってさ、前々回の決算のとき、いっそ暗号代わりに使えて便利かもなってことで全員一致したんだ。
解読できるのは土井先生と潮江センパイ、あとよく計算とか誤字を訂正してやってるぼくだけだからさ。
田村センパイと神崎センパイも最近読めるように……ん?うーん、そうだな、あのアホの字が、やっっったら汚いのが悪いのは確かだけどさ。
でもな、ぼくたち会計委員会は学んだのさ。あのアホの字の汚さは、死んでも治らないってね。
あ、また話ずれちゃったな。
決算の最中に、神崎センパイがかわやに行くって言いだしたんだ。
神崎センパイ、頭も良いし決断力もあるだけど、ちょっと方向オンチでさ……決算の大詰め中に万が一でも迷子になられたら、残りの人たちの仕事がかさんで大変なんだ。かんたんに言って半分死ぬ感じ。だからぼくがお供したんだ。
……まあ、万が一じゃなくても迷子になるのが神崎センパイなんだけど……。その話はあとでね。
で、夜のかわや前で、神崎センパイが出てくるのを待ってたんだけど、……その日は月が出てなくてさあ、まっくらで、夜だからシーンとして静かで、ちょっとだけ怖いかもなんて考えてないけど!
とっとにかく仕事おわんないし、早く神崎センパイ出てこないかなぁって思ってた。
かわやに背を向けて立ってたんだけど、なんかちょっと後ろから……かわやの中からさ、見られてるような気がしちゃって。
今考えれば用足し中に失礼だけど、神崎センパイに声をかけたくなっちゃってさ、ふり向いたんだ。
そしたら、かわやの戸に手がかかってて。
あ、よかった、センパイすぐ出るんだ……って安心した。
でさ、すぐ出るんだ、と思って、その手を見てたんだけど。
……いつまでたっても、戸を開けないんだよな。
え、どうしたのかな。そう思って声をかけようとして、ハッと気づいた。
そこは、
誰も入ってないはず……の……。
戸にかかった指は、その間もぜんぜん動かない。白々としてて、きちんと指先をそろえて戸をつかんでた。
恥ずかしいんだけど、ぼく足がふるえちゃってさ。全身から、こうブワッとよくわかんない汗が出て、背中が冷やっこくなって……あっ、これはは組にはナイショだぞ!い組の約束だからな!
で、そんな緊張状態のなか、隣の戸がバンッと勢いよく開いた。
「はー出た出たあ!すまんな左吉!徹夜で座っとると腹にうんこが溜まってなあ!」
ええと、なんていうかさ。
緊張感とかさ。ふっ飛ぶよね。いろんな意味で。
「お前も気をつけないといかんぞ!なんたって保健委員にバレた日には地獄が待っているそうだからな!主に尻の」
尻の!?
主におしりが地獄ってなに!?
どういうこと!?
「センパイ声が大きいですってば!そんなんじゃいくら秘密にしたってバレちゃいますよ!」
「おぉーすまんすまん。こう、徹夜だとな!声の大きさとかどうでも良くなるな!ちなみに尻が地獄になった憂き目には一時再起不能になるらしいぞ!」
「なにそれどういうこと!?どういうイミで!?」
「はっはっは、おっ厠の小坊主ではないか!久しぶりだな!元気にしていたか?私は元気だぞ!」
じゃあまたな!とほがらかに、その、戸にかかったままの指に手をふるセンパイを見て、
ぼくは今、夢を見てる……?実は会計室で寝てるの……?って思ったぼくは、悪くないと思うんだよ。
しかも、さぁ!
その手……小坊主?もセンパイに手をふり返しててさ!骨がないようなクネクネしたブキミな動きじゃなかったら、ふつうに生きてる人かって思うところだよ!
「せ、センパイ!?あのあれ、あ、」
「おう、左吉は会うの初めてか?あれはな、会計委員七不思議、『深夜、厠に閉じこもる小坊主』だ!悪戯しなければ何もしてこない、普通のやつだぞ!」
もう、あのさ、わかる!?
わかってくれる!?この突っ込みどころが多くてなにも言えなくなる気持ち!!
ていうかうちの委員会七不思議あったの初めてきいたけど!?
……たしかに、実際に見なきゃ「ああ、センパイ、徹夜のしすぎでついに幻覚が見えるようになったんだな」としか思わないけど!
それでさ!もう何も言えないまま戻って、何も言えないまま決算終わったんだけどさ。
今日、団蔵に言ってみたんだ。世間話みたいにさ。
そしたらアイツ、なんて言ったと思う!?
「ああ~小坊主さん!こないだ身の上話してさ~、かわいそうなんだよなー」
しかも他の七不思議とも交流?してるみたいなことをさ、普通に、ふっつーに喋ってくるんだ。
……ああ、そうだな。
アホに常識的な意見を求めたぼくが、間違ってたよっっっっっ!!!!
同級生のコメント
伝七:
わかる!わかるよ左吉!あいつら本当ありえないよな!ほんっとうにアホなんだよ!アホのは組なんだよ!
兵太夫なんてこないだ何してたと思う、人形の首ずらっと並べて気味わるく笑いながら仕掛けしてたんだぞ!?首人形、あれ、委員会の備品だぞ!?何考えてるんだよ!
しかも!しかもっ僕を実験台にするなよ!!!!うるさい泣いてない!
彦四郎:
知ってるそれ!大量の首人形フィギュアが唸り声上げながら部屋じゅう転がりまくったやつでしょ!
しかも、よりによって学園長先生の大切なお客様の前で!
ぼく学級委員長委員会でお客さんのおもてなしするのも仕事だからさ、目の前にいたんだけど、腰抜けるかと思ったよ……!
学園長先生カンカンに怒ってるし、庄左ヱ門は生首つかまえて冷静になんか言ってるしもうわけわかんなくてさあ、はあ……。
一平:
ぼくも知ってる!それ「踊り狂う生首事件」だ!
仕掛けに虫とかネズミ使ってたとかで生物委員が回収にまわされたんだよ〜もう、竹谷センパイ笑ってたけど回収したハチとかネズミの世話するのぼくたち生物委員なんだからね。
壊れた首からネズミは飛び出してくるし、変なうなり声上げてるフィギュア持ち上げたらハチが飛び出すし、お客さんと虎若はアワ吹いて失神しちゃうし!
考えてみればすごい光景だったなあ……。
えっ?ぼ、ぼく?ぼくは……孫次郎といっしょに腰抜かしてて……ごめん……。
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