嘘と創作を混ぜて語る日記的なもの
2015/10/29 [20:15:01] (Thu)
んう?んふふぅ、やぁですねえセンパイ、ぼくだってまさかそんな本気で招こうとしてたワケじゃないですよぉ~、本当ですってぇ。
伊作センパイと一緖に保健当番だったんですけどぉ、センパイが先生に呼ばれていっちゃって。だから一人でお留守番してたんですぅ。
こう言っちゃうと怒られそうですけど、ぼくヒマでヒマで~、誰かお客さん来ないかなあって思ってたんです。
そうですけどぉ……保健室がヒマなのはイイコトですもんねえ。こういう時こなもんさんが来てくれたらいいのになあって思ってました。
その時はねぇ、たしか、障子戸はキチンと閉めていたんです。ちょっと雨が降ってましたし、薬が湿気っちゃいますし?
ヒマでヒマで、誰か来ないかなあ、こなもんさーん、おいでませー、おきゃくさーん?とか独り言いってたんですう。
そうしたら、呼んじゃったんですかね~?
障子の前に、ぼんやり人影が立ったんです。
あ、お客さんかなあ、って思って声かけようとしたんですけどお、その~……ヒト?の方から声かけてきまして~。
「呼ばれてきました」って。
ん~?と思って、ぼくは首をひねってお返事しました。
「どなたですう?」
「あなたに呼ばれました」
ここで、あっ!てピンときましたよねぇ。
これ、人じゃないんだぁ、って。
だから……どうしたんですセンパイ、そんなガックリしちゃって。安心してください~、まだ序の口ですよう。
「ぼくは呼んでませぇん」
「あなたに呼ばれたのです」
「呼んでませんってばぁ」
「呼んだからには招いていただかないと、入れません」
その影ですけど、人みたいな形だったのは最初だけで?
ぐぃーんって大きくなったり、ぶわっ!ってたくさんの手が生えてきたり、ちっともじっとしてない忙しいひと……ヒト?でした~。さすがにぼくも怖くなっちゃって、ちょっと腰抜かしそうになってたんですよ~。
だって、その影がですね~、動くたびに、声もヘンな風に変わるんですう。
女の子みたいな声かと思ったら、太い男のひとみたいな声になったり?おじいちゃんみたいな声になったと思ったら、赤ちゃんみたいな声になったり~、ブキミでしたあ。ぼく、よくちびらなかったなあ。
でも、ふと思ったんです。
「招かないと入れないんですかぁ?」
「そうです。招いて下さい」
「絶対に入れない?」
「そうです。呼ばれましたから」
そう言ってぐにょぐにしてるんで、ちょっとだけ面白いなって思っちゃったんですよねえ~…。
わあ~センパイそんな怒らなくても~。
だって、どっちにしろ帰し方とか分からなかったんですも~ん。
「そうですかぁ入れないんですかぁ」
「あなたが呼んだのです」
「べつにぃ呼んでませんしぃ~。大人しくお帰りくださぁい」
「呼ばれたのです。お前は招かねばならない」
「いやですぅ~、おかえりくださ~い」
「呼ばうたのはあなただ」
「お呼びじゃありませ~ん」
そうやってお話ししてたら、なんだか影が濃くなってきたような?気がしまして。
まるで近づいてきてる、っていうかーー顔を近づけてる、みたいな……?
入れないって言ってても、保健室の戸って障子じゃないですか。紙っぺら一枚ですよう?
バリって破ってオバケが入ってくるんじゃないかって、ビクビクしてたんですう。
そういえば、腰はとっくに抜けてましたねぇ。
声は最後にはこわぁい唸り声みたいになってました。
「うぬが呼んだのじゃ!中に入「悪霊退散ッッッ!!!!!」
……ぼく、数馬センパイとはできれば一生お付き合いしたいですう。
ばしゃーんカコーンってまぬけな音の後に、ギャーーーって声がして、怪しい影はケムリか何かみたいに消えちゃいました。
すぐに数馬センパイが飛び込んできて~、ビックリしてちょっとタマシイ飛び出ちゃいましたけど、おかげで助かりましたぁ。
ありがとうございますう~。ちょ~デンジャラスでしたぁ~。
ね、センパイ。ぼく何もアヤシイ事なんてしてないでしょう?
偶然ですってぇ~、ぐ・う・ぜ・ん。
委員会の先輩のコメント
三反田:
ほんっとに、本当に君はもう!ちょっと、ねえ伏木蔵。
君は本当にその、スリルでデンジャラスな事が好きみたいだけどね?あれは洒落にならなかったからね!?
ぼくが伊作先輩に頼まれて保健室きてなかったらどうなってたことか……はああ……。
本当に肝が冷えたんだからね!?
障子が血でじわじわ染まってくのを見た時はどうしようかと思ったよ……。ああ、影は見えなかったけど、障子の白い紙に赤い、大きな水玉ができててね。
あのね赤黒くて禍々しくて、そんな可愛らしいものじゃなかったから!
オバケの追い払い方?ごめんだけど、わからない。ぼくは拝み屋じゃないし。
あの時は水を入れたタライを持ってたから、それを全力で投げたんだよね。それだけかな?
ただ……ええと、厳しい態度で怒鳴ったり叱りつけたりすると、案外逃げてくのって多いからさ。不審者と同じだよ。
うん、そう……ああ、曲者さんといい幽霊といいオバケといい、この委員会ってどうして不審者を引き付けやすいんだろうなあ……。
んう?んふふぅ、やぁですねえセンパイ、ぼくだってまさかそんな本気で招こうとしてたワケじゃないですよぉ~、本当ですってぇ。
伊作センパイと一緖に保健当番だったんですけどぉ、センパイが先生に呼ばれていっちゃって。だから一人でお留守番してたんですぅ。
こう言っちゃうと怒られそうですけど、ぼくヒマでヒマで~、誰かお客さん来ないかなあって思ってたんです。
そうですけどぉ……保健室がヒマなのはイイコトですもんねえ。こういう時こなもんさんが来てくれたらいいのになあって思ってました。
その時はねぇ、たしか、障子戸はキチンと閉めていたんです。ちょっと雨が降ってましたし、薬が湿気っちゃいますし?
ヒマでヒマで、誰か来ないかなあ、こなもんさーん、おいでませー、おきゃくさーん?とか独り言いってたんですう。
そうしたら、呼んじゃったんですかね~?
障子の前に、ぼんやり人影が立ったんです。
あ、お客さんかなあ、って思って声かけようとしたんですけどお、その~……ヒト?の方から声かけてきまして~。
「呼ばれてきました」って。
ん~?と思って、ぼくは首をひねってお返事しました。
「どなたですう?」
「あなたに呼ばれました」
ここで、あっ!てピンときましたよねぇ。
これ、人じゃないんだぁ、って。
だから……どうしたんですセンパイ、そんなガックリしちゃって。安心してください~、まだ序の口ですよう。
「ぼくは呼んでませぇん」
「あなたに呼ばれたのです」
「呼んでませんってばぁ」
「呼んだからには招いていただかないと、入れません」
その影ですけど、人みたいな形だったのは最初だけで?
ぐぃーんって大きくなったり、ぶわっ!ってたくさんの手が生えてきたり、ちっともじっとしてない忙しいひと……ヒト?でした~。さすがにぼくも怖くなっちゃって、ちょっと腰抜かしそうになってたんですよ~。
だって、その影がですね~、動くたびに、声もヘンな風に変わるんですう。
女の子みたいな声かと思ったら、太い男のひとみたいな声になったり?おじいちゃんみたいな声になったと思ったら、赤ちゃんみたいな声になったり~、ブキミでしたあ。ぼく、よくちびらなかったなあ。
でも、ふと思ったんです。
「招かないと入れないんですかぁ?」
「そうです。招いて下さい」
「絶対に入れない?」
「そうです。呼ばれましたから」
そう言ってぐにょぐにしてるんで、ちょっとだけ面白いなって思っちゃったんですよねえ~…。
わあ~センパイそんな怒らなくても~。
だって、どっちにしろ帰し方とか分からなかったんですも~ん。
「そうですかぁ入れないんですかぁ」
「あなたが呼んだのです」
「べつにぃ呼んでませんしぃ~。大人しくお帰りくださぁい」
「呼ばれたのです。お前は招かねばならない」
「いやですぅ~、おかえりくださ~い」
「呼ばうたのはあなただ」
「お呼びじゃありませ~ん」
そうやってお話ししてたら、なんだか影が濃くなってきたような?気がしまして。
まるで近づいてきてる、っていうかーー顔を近づけてる、みたいな……?
入れないって言ってても、保健室の戸って障子じゃないですか。紙っぺら一枚ですよう?
バリって破ってオバケが入ってくるんじゃないかって、ビクビクしてたんですう。
そういえば、腰はとっくに抜けてましたねぇ。
声は最後にはこわぁい唸り声みたいになってました。
「うぬが呼んだのじゃ!中に入「悪霊退散ッッッ!!!!!」
……ぼく、数馬センパイとはできれば一生お付き合いしたいですう。
ばしゃーんカコーンってまぬけな音の後に、ギャーーーって声がして、怪しい影はケムリか何かみたいに消えちゃいました。
すぐに数馬センパイが飛び込んできて~、ビックリしてちょっとタマシイ飛び出ちゃいましたけど、おかげで助かりましたぁ。
ありがとうございますう~。ちょ~デンジャラスでしたぁ~。
ね、センパイ。ぼく何もアヤシイ事なんてしてないでしょう?
偶然ですってぇ~、ぐ・う・ぜ・ん。
委員会の先輩のコメント
三反田:
ほんっとに、本当に君はもう!ちょっと、ねえ伏木蔵。
君は本当にその、スリルでデンジャラスな事が好きみたいだけどね?あれは洒落にならなかったからね!?
ぼくが伊作先輩に頼まれて保健室きてなかったらどうなってたことか……はああ……。
本当に肝が冷えたんだからね!?
障子が血でじわじわ染まってくのを見た時はどうしようかと思ったよ……。ああ、影は見えなかったけど、障子の白い紙に赤い、大きな水玉ができててね。
あのね赤黒くて禍々しくて、そんな可愛らしいものじゃなかったから!
オバケの追い払い方?ごめんだけど、わからない。ぼくは拝み屋じゃないし。
あの時は水を入れたタライを持ってたから、それを全力で投げたんだよね。それだけかな?
ただ……ええと、厳しい態度で怒鳴ったり叱りつけたりすると、案外逃げてくのって多いからさ。不審者と同じだよ。
うん、そう……ああ、曲者さんといい幽霊といいオバケといい、この委員会ってどうして不審者を引き付けやすいんだろうなあ……。
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