嘘と創作を混ぜて語る日記的なもの
2015/09/25 [20:34:16] (Fri)
暴君に襲撃され、辻刈りに襲撃され。
生物委員会は、というよりかは竹谷八左エ門には、災難な日である。
「待てやアアアアアダメージへアアアアア!!!!」
「くくち先ぱい……」
「うん、まあ仕方ないな。タカ丸さんも困った人なのだあ」
どうしましょう、と困りきった顔で見上げてきた伊助の頭を撫でて、久々知は遠ざかってゆく砂埃を眺めた。
かの年上の後輩は、普段の花でも飛んでいそうな風情が嘘のように、久々知の同輩のホウキみたいな頭を見るたびに殺意を滲ませていたのである。
何度目かでキレるのはまあ、分かりきっていたようなものだ。
生物委員の小屋の近くを通ったのは失敗だった。普段のこの時間なら、生物委員は大抵野外活動をしているから、通っても問題はないと思ったのだが。
「七松先輩が原因か」
それなら仕方ないと見るべきである。
元凶たる暴君は芋虫状態のまま担ぎ上げられて何処かへ運ばれようとしているが、その表情からして面白がっているのは間違いない。すぐにでも縄抜けして人災を引き起こすだろう。
「煙硝蔵を三郎次に任せたままだ。とりあえず戻ろうか」
「あ、はい!」
あの暴君に巻き込まれるのは極力回避したい。ましてや今は小さな後輩も居る事だ、久々知は自然かつ迅速にこの場を去るために伊助を抱き上げた。
「えっ、く、くくち先ぱい?」
「ん?どうした伊助?」
伊助の足では逃げ切れないと考えた久々知は何の躊躇いもなく伊助を抱き上げて歩き出した。
動揺したのは伊助である。
委員会の最上級生であり、尊敬する先輩である久々知に突然抱き上げられたのだ。
理路整然と冷静に委員会業務をこなす久々知に、気安い先輩のように――タカ丸先輩とか――と同じように接してはいけないと、なんとなく思って気後れしていたのだが。
「なんでもないです〜」
伊助はこの状況を素直に喜んで、はにかむような笑みを浮かべた。
それを見た久々知が、冷静な表情の裏で「うちの子最高」と叫んでいることは、同輩にしか分かるまい。
暴君に襲撃され、辻刈りに襲撃され。
生物委員会は、というよりかは竹谷八左エ門には、災難な日である。
「待てやアアアアアダメージへアアアアア!!!!」
「くくち先ぱい……」
「うん、まあ仕方ないな。タカ丸さんも困った人なのだあ」
どうしましょう、と困りきった顔で見上げてきた伊助の頭を撫でて、久々知は遠ざかってゆく砂埃を眺めた。
かの年上の後輩は、普段の花でも飛んでいそうな風情が嘘のように、久々知の同輩のホウキみたいな頭を見るたびに殺意を滲ませていたのである。
何度目かでキレるのはまあ、分かりきっていたようなものだ。
生物委員の小屋の近くを通ったのは失敗だった。普段のこの時間なら、生物委員は大抵野外活動をしているから、通っても問題はないと思ったのだが。
「七松先輩が原因か」
それなら仕方ないと見るべきである。
元凶たる暴君は芋虫状態のまま担ぎ上げられて何処かへ運ばれようとしているが、その表情からして面白がっているのは間違いない。すぐにでも縄抜けして人災を引き起こすだろう。
「煙硝蔵を三郎次に任せたままだ。とりあえず戻ろうか」
「あ、はい!」
あの暴君に巻き込まれるのは極力回避したい。ましてや今は小さな後輩も居る事だ、久々知は自然かつ迅速にこの場を去るために伊助を抱き上げた。
「えっ、く、くくち先ぱい?」
「ん?どうした伊助?」
伊助の足では逃げ切れないと考えた久々知は何の躊躇いもなく伊助を抱き上げて歩き出した。
動揺したのは伊助である。
委員会の最上級生であり、尊敬する先輩である久々知に突然抱き上げられたのだ。
理路整然と冷静に委員会業務をこなす久々知に、気安い先輩のように――タカ丸先輩とか――と同じように接してはいけないと、なんとなく思って気後れしていたのだが。
「なんでもないです〜」
伊助はこの状況を素直に喜んで、はにかむような笑みを浮かべた。
それを見た久々知が、冷静な表情の裏で「うちの子最高」と叫んでいることは、同輩にしか分かるまい。
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